「ジョン・レノン音楽祭2002
Dream Power ジョン・レノン スーパー・ライヴ」レポート



坂本が「Are you ready? みんな入って!」と声をかけ、ステージには出演者全員が勢ぞろいした。
坂本のピアノから始まるアドリブに続いて始まったのは、‘Power To The People’。会場も一体となっての大合唱。ジョンが歌った“power”とは、決して政治権力などではない。こうして歌うことで民衆が手にできる勇気、希望なのだ。ジョンの魂が今ここにいる、そう感じさせるパフォーマンスが果てしなく続く。そこに現れた、小柄だがすさまじいオーラを放つひとつの影。それがだれであるかを知ると、観客から表現しようのない大きなどよめきが起こった。
ヨーコだ!
前年は9.11の同時テロ後でパニック状態のアメリカに留まることを決意し、来日がかなわなかったヨーコが、今年ついに姿を現した。日本でのパフォーマンスは、1996年7月1日の大阪メルパルク公演以来、実に6年5か月ぶり。
ヨーコは、まるで全員で書き上げた黒い文字の上に朱で力強い文字を書き加えるように、“Power to the people”のコーラスに参加した。大歓声とスタンディング・オベーションに応えながら、ヨーコは「こんちは! はるばるニューヨークからあなたたちに会いに来たんです!」とあいさつし、巻いていた水色のマフラーを結んで客席に放り投げた。そして、「OK, I love you! I love you!」と叫びながら、次第に声をあの「ヨーコ・スクリーム」に変化させる。これにも客席は大いに沸いた。
ヨーコが「OK, Lets go to the next song!」と合図し、‘Happy Xmas (War Is Over)’が始まった。ひと足早いホワイト・クリスマスのムードに包まれたそのとき、ヨーコは合唱をバックに、この曲の歌詞を日本語で語り始めた。
「戦争は私たちの念力で/きっと終わる/終わらせられる/この世界は間違ったことが多いけれど/白、黒、赤、黄色の区別なく/ケンカはやめよう…」
そうなのだ。この曲は単なるクリスマス・ソングではなく、世界平和を祈念するメッセージ。そのメッセージは、発表から31年が経過した今でも、まったく色褪せることはない。いつの世も人々が願うのは平和であり、やめさせるべきは争いなのだ―。



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