新着ニュース


リンダ・マッカートニー・サイクリング・チーム、2002年のツール・ド・フランスへ


リンダ・マッカートニーがスポンサーとなって昨年春に結成されたサイクリング・チームが、2002年のツール・ド・フランスをめざすことになった。メンバーはツール・ド・フランス優勝経験者であり、イギリス最高クラスのサイクリストであるショーン・イエーツをリーダーに14人。全員がベジタリアンで、自転車の前輪には"Clean machine"という言葉をペイントしている(マシーンは自転車というよりも選手の体そのもののことで、肉にもドラッグにも「汚染」されていないきれいな体だということ)。そしてチームはポールの三女ステラがデザインしたユニホームを着てベジタリアニズムをアピール。イエーツは「私たちはイギリスを代表する選手としての任務と、さらにリンダの信念を実現させるというもうひとつの任務がある」と語る。
そもそもリンダとサイクリングとを結びつけたのはメンバーのひとりであり現在スポンサーシップ・コーディネーターもつとめているジュリアン・クラークで、1年半ほど前に彼がリンダの冷凍ベジ食品を買ったのがきっかけだったという。
「『これだ』と思った。マッカートニー一家は環境にやさしくて、サイクリングも環境にやさしいスポーツだ。さっそく朝の5時までかかってプレゼンテーションの準備をした。プレゼンをしてから3日もしないうちにリンダの会社から電話がかかってきて、すんなりスポンサーシップの話がまとまった」
イエーツはマッカートニー家がスポンサーとなっていることについて次のように語っている。
「法人によるスポンサーではなく、家族単位のもの。単にメディアに売り込んだりするためではなく、もっとずっと私的な動機からスポンサーになってくれている。だからこのプロジェクトには人間味が感じられる。そうあってこそ、選手たちはよりいっそう責任を感じ、ベストをつくそうとする」
リンダの他界後はポールがスポンサーシップをひき継いでおり、1月末に行なわれた結団式にあたって、ポールは以下のようなコメントを寄せた。
「僕らは家族全員でリンダ・マッカートニー・サイクリング・チームを応援している。この『クリーン・マシーン』は、ベジタリアンがニンジンばかり食べているひ弱な人間ばかりではないことを証明してくれるだろう。そして僕らが愛するリンダの思い出を生かし続けてくれることだろう」
2月にマレーシアで行なわれた今シーズン初のレースからメンバーが戻ってくると、ポールからは「リンダも大喜びしているに違いない」と書いたお祝いのファックスが送られてきた。リンダ他界後ますます結束を強めたマッカートニー・チームは、スペインで2週間のキャンプのあと、イギリス国内のいくつかのレースに出場し、4月にはイタリアで行なわれるヨーロッパでのデビュー戦に出場することになっている。


[新着ニュース一覧にもどる]