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ポールが「ロックの殿堂」入り、セレモニーで演奏も


ポールがソロ・アーティストとして「ロックの殿堂」入りをはたした。3月15日にニューヨークのマンハッタンにあるウォルドフ・アストリア・ホテルで行なわれた授賞式には、ポールも出席した。
2,000人ほど集まった客席のなかには、ジュリアン・レノンの姿も見られた。式は夜8時30分ごろ(現地時間)、今回の受賞者のインタビューやミュージック・クリップなどが含まれた短いフィルムで始まり、受賞者のひとりビリー・ジョエルの演奏する「若死にするのは善人だけ」で幕を開けた。
ポールへの表彰は午後11時ごろ。プレゼンターのニール・ヤングはポールを紹介するスピーチでこう述べた。「ポールはビートルズの影から抜け出し、ソロとして今のようなりっぱなキャリアを確立しました。そのみごとさにはものすごくショックを受けました」「ポールはおそらく史上最高のソングライターのひとりです。その功績により、ポールの名前はこれから何百年も語り継がれていくことになるでしょう」「すばらしい家庭を築きあげたことに対しても心から敬意を表します」。そのあとポールの功績を紹介する短いフィルムが流された。
ポールはグレーのシャツに黒のスーツ姿でステージ上に現れた。「すばらしい賞をもらえて光栄です。すばらしいことだけど、同時に悲しくもあります。というのは、この喜びをリンダとともに分かちあいたかったからです。リンダはこの日を待ち望んでいました。でもすばらしいことだし、リンダもすばらしい、僕らみんなすばらしくて、それにみんなかっこいい」と話してから、リンダの代わりに「恋人」を連れてきたと言って、三女のステラをステージに呼んだ。ステラは、リンダのシングルの歌詞にも使われ問題となった言葉をあえて使って"About Fucking Time. 15/3/99"(「いよいよ殿堂入りの瞬間」という意)とプリントした白いタンクトップを着て登場。ポールの名前が最初に候補にあがってから3年目にしてようやく殿堂入りをはたしたことを、デザイナーらしくファッションでアピールし、会場から喝采をあびた。スピーチのなかではポールが関係者に向かって、「これで僕を殿堂入りさせた。ジョンのこともさせたよね。すてきじゃないか。だけどジョージとリンゴのことはどうなっているんだ?おいおい、頼むよ、みんな。頼んだよ」とユーモラスにうながす場面もあった。そして最後に、観客に向かって「僕はクリーブランド(「ロックの殿堂」の拠点があるところ)が大好きです。クリーブランドがリンダのお母さんを生んでくれたから。それに僕はニューヨークが大好きです。ニューヨークがリンダを生んでくれたから!これは君にだよ、ベイビー!」と言って、この受賞をリンダに捧げた。
ノン・パフォーマー部門で受賞したジョージ・マーティンはトロフィーにキスをして喜びを表し、「それまで私の耳には聞こえなかったような音を聴くことができるようになったのは、すべてビートルズのおかげです。あの4人からはほんとうにいろいろなことを教えられました」とスピーチした。
授賞式のあとはそれぞれの受賞者による演奏が行なわれ、ポールはトリとして舞台に上がって、エリック・クラプトンやロビー・ロバートソン(元ザ・バンド)らをバックに「ブルー・スエード・シューズ」を演奏。曲のエンディングで「カール・パーキンス、その人に!」と叫んでパーキンスをたたえた。その後、ほかの受賞者や、レイ・チャールズ、ローリン・ヒル、ウィルソン・ピケット、ボノなどのプレゼンターを含めたスターたちがステージに勢ぞろいし、超豪華なジャム・セッションとなった。ポールも「ホワッド・アイ・セイ」の演奏に加わり、ステージ上をはねまわった。そしてビリー・ジョエルが「レット・イット・ビー」を歌いはじめると、ポールがコーラス部分から加わり、リード・ボーカルをひきついで全員によるコーラスとなり、およそ4時間にわたったセレモニーをしめくくった。演奏のあと、ポールは客席を指さして「そろそろ家に帰る時間だよ」と言い、「すばらしい晩だった、だろ?」と笑顔でコメントした。
セレモニーのあとに行なわれたディナー・パーティでは、ベジタリアンのポールは食事は辞退したが、主役のひとりとして出席者をもてなした。
また、セレモニーに先立つ記者会見で最近の活動についてたずねられたポールは、「ちょうどロックンロールを何曲かレコーディングし終わったところだ」と答えている。


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