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ポール、動物の権利保護運動家へ「リンダ・マッカートニー・アワード」を贈る


5月20日、ロンドンのドーチェスター・ホテルで、イギリスの新聞『デイリー・ミラー』がスポンサーとなっている「1999年プライド・オブ・ブリテン」賞の表彰式が行なわれ、ポールが出席して、今回新しく設けられた「リンダ・マッカートニー・アワード・フォー・アニマル・ウェルフェア」という部門賞のプレゼンターをつとめた。プライド・オブ・ブリテンは、それぞれの分野で目ざましい功績をおさめた人や、悲惨な状況に直面しながらもその状況と勇敢に闘った人たちに贈られる賞で、そのなかのリンダ・マッカートニー・アワードは動物保護運動に貢献した人に対して贈られる。第1回リンダ・アワードの受賞者はポール自身が選び、ジュリエット・ゲラトリー(35)という、ベジタリアニズムと動物の権利保護を訴える団体「ビバ!」の設立者であり理事でもある女性に贈られた。そのほかの部門では、癌と闘いながらも仕事を続けるテレビのスポーツ・キャスターや、暴漢に襲われている人を助けに入り、代わりに暴行を受けて失明してしまったという男性などが表彰された。ポールはそれぞれの受賞者にまつわる話を聞いて明らかに心を動かされたようすで、受賞者のひとりひとりに声をかけた。
ポールは演壇に上がるとまず次のように語った。「とても感動的な式でした。まさかこんなに感動させられるとは思ってもみなかった。これらの賞の意義は、人には、ふだんはなかなか他人の目にふれることのないような、すばらしい一面があるんだというところにあります。もう胸がいっぱいです。世界中にすばらしい人たちがどれだけたくさんいるかということが、これで証明されました」
そしてリンダ・アワードについて次のように語った。「僕はこの1年間ずっと泣いてばかりいたのですが、今日ようやくここにこうしてやって来ました(笑)。『ミラー』の読者のみなさんに、このような部門を設けていただき、そしてその部門に僕のだいじなリンダの名前をつけていただいたことに、感謝しています。リンダも光栄に思っていることでしょう」
「僕は、ジュリエットの活躍ぶりがもっと世の中の人たちに広く知られてもいいはずだと思い、彼女を選びました。たいせつなのは、数年前までなら彼女がこのように晴れやかな受賞式に呼ばれることなど考えられないほど、ベジタリアニズムに光が当たることはなかったのに、今やそのベジタリアニズムがこれからのあるべき姿勢にまで高められたということです」
「リンダはベジタリアニズムが正しいと100パーセント信じていました。ベジタリアニズムは、国際規模の一大革命です。そして次世紀をになうすばらしいアイデアです。息子のジェイムズはそこからさらに一歩進んで、ビーガンになりました。ベジタリアンになるということは思ったほど難しいことではありません」
「動物たちのためにいっしょうけんめい働くということは、そうたやすいことではありません。報酬がもらえるわけでもなく、長い闘いで、しかも動物たちから感謝の言葉が返ってくるわけではありませんから。でも信念を持って活動している人たちが、イギリス中にたくさんいるのです。そういう人たちが動物たちを守っているのです。僕は一個人として、そういう人たちひとりひとりに感謝の気持ちを伝えたい」
さらにポールはリンダの遺志をついで動物保護のキャンペーンを続けていくつもりだとも述べた。「僕にはサポートしてくれるすばらしいネットワークがあります。それでも、リンダがあれほど真剣に取り組まなかったならば、僕らはなにひとつ成し遂げることはできなかったでしょう」
ポールから賞を受け取ったゲラトリーは次のように語った。「受賞が決まったとき、『ミラー』紙からある重要人物が私をノミネートしてくれたと聞かされていましたが、その人がサー・ポールだということはほんの2日前に知り、それはもう面食らってしまいました。心から光栄に思います。リンダは動物を救うキャンペーン全体のリーダーとして活躍し、私にとっても非常に心の支えになってくれていました。リンダがこの場にいてくれたらと思わずにはいられません。これからもサー・ポールが私たちのような団体をサポートしてくださるということは、とてもすばらしいことです」
式にはブレア首相も出席しており、ポールが到着したときにちょうど帰ろうとしていた首相とすれ違うと、ポールは笑いながらこう言った。「あなたは早番。僕は遅番」。またポールは、同じく式に出席していたシラ・ブラックと顔をあわせると、ジャケットから5枚のポラロイド写真を取り出して、「生後8週間の僕の孫息子だ!」と自慢げに見せていた。


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