新着ニュース


FBIのジョン監視文書が公開へ

update0225.gif

1970年代、ニューヨークでのジョンとヨーコの平和活動に対し執拗に監視活動を続けていたFBIのジョン・レノン監視文書をとりあげた新刊『GIMME SOME TRUTH』が話題となっている。
この本の著者ジョン・ウィナーは1960年代後半から1970年代にかけてのジョンとヨーコの政治活動について書いた本『Come Together:John Lennon In His Time』執筆時にFBIのジョン・レノン・ファイル公開拒否に遭遇して以来、FBIを相手どり、情報自由化条例にもとづき、墨塗り部分のない形での開示を求める訴訟を起こしていた。今回出版された『GIMME SOME TRUTH』は、彼が最高裁で勝訴するまでの14年間にわたる法廷闘争の経緯とともに、これまで公開されなかった重要部分を100ページにわたり完全に近い形で掲載している。
新たに公開された部分は、ジョンを含む1972年当時のニューヨークの反体制グループを監視するなかで知りえたこと、たとえば「活動家のひとりが飼っていたオウムは仲間たちの議論が白熱してくると"right on!" (賛成!いいぞいいぞ!くらいの意味)と口をはさんでいた」といった日常のできごとが中心だ。ウィナーは「なぜFBIはこんなことを国家保安上の秘密としてずっと隠してきたのか」と驚きを隠せないようすだ。
また、ファイルのなかにはジョンが「(集会orコンサートに)協力してもいいよ、ただし平和的なイベントだったらね、と仲間たちに言っていた」という内容のものがある。これについてウィナーは「アメリカ政府はこれまで一貫して『ジョンを追い出そうとしたのは暴力的なデモを阻止するためだった』と説明してきた。だがFBIはジョンが非暴力的な立場に立っていたことをきちんとつかんだうえで、まったく正当性を欠いた監視やいやがらせを行なっていたことが、このファイルにより判明した」と述べている。
押されたスタンプ、行間への書き込み、係官のサインなども含めたありのままの形のレノン・ファイルが掲載され、今までの黒く塗りつぶされていたものと対比できる部分は、この本のハイライトである。ファイルの内容は、監視日誌やジョンが出演したテレビ・ショーの記録などで、なかには「ジョンをドラッグ関係の容疑で逮捕できれば追い出せる」という生々しいやりとりも含まれている。
また日本のニュースでも報道されたが、IRA(アイルランド共和国軍)関連でイギリスのMI6がFBI同様にジョンの活動を監視していたこともこの本のなかで明らかにされている。これはジョンが「IRAとイギリス軍のどちらにつくかと問われれば、僕はIRAだね」と発言したことが発端になったらしく、アメリカ市民連合は現在も「(イギリスの)外圧」によって公開を差し止められている部分の開示を求めていくようだ。


[新着ニュース一覧にもどる]