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緊急インタビュー!オノ・ヨーコさん『ジョンに知らせてあげたいこと』


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オノ・ヨーコさんに、10月9日発売の“JOHN LENNON/PLASTIC ONO BAND”“DOUBLE FANTASY”について、ダコタ・ハウスでお話をお伺いしてきました。

Y;オノ・ヨーコさん
H;浜田哲生氏

H;どうもこんにちは。
Y;こんにちは、浜田さん。
H;今年は20世紀最後の年でジョン・レノンにとってはすごく意味のある年と言うのでしょうか、彼がもし生きていたら60歳、それから彼が亡くなって20年で、20世紀総括の年という意味で、今年についてヨーコさんのほうからなにか特別な考えというか想いというのはなにかありますでしょうか。
Y;そうですね、やっぱりね、今年はジョンの60年のお誕生日の年だし、それから1980年に起こったあのことでけっきょく20年もたちましたからね。早いものですけど。それで、やっぱりちょっと感慨深いわね。
H;そうですね。今年はミレニアムということで例のジョンの“IMAGINE”のCDが出て。今度ジョンの代表的なアルバムの1枚である“JOHN LENNON/ PLASTIC ONO BAND”、日本では『ジョンの魂』って呼んでるんですが、今度これがリミックスされて出るということをお聞きしているんですが、ぜひこのアルバムを紹介していただきたいなと。
Y;そうね、今年はそういう意味でとても特別な年なものですから。“JOHN LENNON/PLASTIC ONO BAND”はジョンの、まあ独立して初めて作った本格的なレコードなんですよね。“DOUBLE FANTASY”はけっきょく最後のレコードになっちゃったでしょ、だからそのいちばん初めといちばん最後のレコードをいっしょに出してみようって、そういう計画だったわけです。 でも“JOHN LENNON/PLASTIC ONO BAND”は非常にセンシティブなアルバムなものですから、だれかにジャカジャカリミックスなんかされちゃかなわないものですからね、それで私も一生懸命スーパーバイズしたわけです。それから“DOUBLE FANTASY”のほうは、ジョンとヨーコのそれこそ半分半分のレコードですから、そういう意味でほかの人にいろいろまかせるのは何だと思って自分でやったんです。
けっきょくそういう意味で “JOHN LENNON/ PLASTIC ONO BAND”も “DOUBLE FANTASY”もちょっと新しい顔して出てくるってことなんですけど、それが新しいって言ってもね、やっぱり本来の意図とあんまり外れたことはしたくないから。ただ、今いろんな機械なんかが新しくなってきてますでしょう。みんなの耳が肥えててすごく大きな音とかきれいな音に慣れてるからそういう意味でジョンの声をちょっとはっきりさせたってところはあるわけですね。
H;今回『ジョンの魂』で、特別に日本盤のために写真が追加されるとか?
Y;そうなのよ。それがね、日本のためってわけじゃなかったんですけど、今度『ジョンの魂』を出すときになにか写真がないかって、今まで発表していない写真があったらいいなと思って、探してたのよね、そうしたらね、私の古いアルバムのなかから京都に行ったときにふたりで浴衣の上に着物かなんかちょっと羽織ってね、それでなんとなく宿屋にいたんですよ。そのときの写真がずいぶんとあってね。ああ、こんなものがあったのかなんて思ってそれでイギリスにもまわしたんですけどね。イギリスではやっぱりほら日本で、ジョンが日本にいたなんてことは1枚くらい使ってもおもしろいって思ったんでしょうけど、それ以上は別に使いたくなかったような感じで。それで私はあと5、6枚全部日本のほうに送ったんですよ。
H;ヨーコさん、日本では‘Love’って曲が   ‘Imagine’と並んで代表曲として非常に知られてるんですけど、‘Love’について、ヨーコさんの想い、あるいは…
Y;あれはジョンがね、私たちがプライマルセラピーをロスでしていたときに作った曲なんですよ。ロッカーだっていうんで意気込んだり気取ったりなんかしてるのがみんな消えちゃってね、ああいう非常にセンシティブで美しいものが出てきたんだと思いますね。
H;“DOUBLE FANTASY”の今回のミレニアムバージョンは、なにかボーナストラックが付くんですか?
Y;ああ、それからね、『ジョンの魂』にもボーナストラックが付くんですよ。それは‘Power To The People’ってご存じだと思いますけど、あれをちゃんとリミックスしてバチッとしましたからね。すごくエネルギッシュな感じでとても喜んでいただけるんじゃないかと思うんです。それからもうひとつ、‘Do The Oze’っていうちょっと前衛的な曲をジョンと私が作ったんですけど、で、ジョンが歌ってるわけです。それもね、なにか特別なことをファンのみなさんにあげたいと思ったものですから。‘Do The Oze’なんかは『レノン・アンソロジー』を聴いている人もいると思うので、わざわざフィラデルフィアのブッチャーボーイズっていう有名なリミックス・エンジニアの兄弟がいるのでそこへ持っていったの。そしてあのマルチトラックを調べていたら、なかにね、すごいギターだとかピアノだとかサックスだとかのね、いいトラックが埋もれてるんですって。だからそれをみんなばぁって出してきてすごく力強い美しいもの、美しいリミックスにしてくれたんです。それをすごくうれしいと思っています。そのへんが楽しみでしょ、ファンの方は。だから『ジョンの魂』には‘Power To The People’とその‘Do The Oze’が付くということですね。
それから“DOUBLE FANTASY”のほうはね、やっぱりほら男と女の会話っていうのをずっとしてましたからね。だからジョンからひとつ、私からひとつボーナストラックを出して、そしてふたりがいっしょに歩いて、公園を歩いていましたでしょ、いろいろ話なんかをして、あれをちょっと入れたんですよ。だからひとつはジョン、ひとつは私で、それで最後にふたりで歩いていると、こういうふうにしてまあけっきょく、その “DOUBLE FANTASY”の男女の談話、会合っていうことを延長したわけですね。
H;曲は何となに?
Y;ジョンのほうは‘Help Me To Help Myself’っていう、とてもね、ちょっと問題になるんじゃないかと思う歌があるんですよ。それがウエスト・ウッズ・ワンのラジオなんかでときどき出てたっていうんですけどね。その出てたときには非常になにか音質の悪いテープがかかってたとかいうんですよ。で、私はもちろんそのすごく音質のいいのを持ってるものですから、それを今度ちゃんと出しましたから、ぜひ聴いてください。
で私は、ジョンと競争するなんてことじゃなく、まあ付け足しという意味でね‘Walking On Thin Ice’を入れたんですよ。けっきょくジョンのほうに話題が、焦点が行くといいと思いましたものですから。で、まあ‘Walking On Thin Ice’だったら、たいがいの方は知っているだろうけど、“DOUBLE FANTASY”には入っていませんでしたからそういう意味でもいいと思って。
H;じゃ、そのジョンの曲は未発表曲ってことになりますね。
Y;そういうことですね。
H;そういう意味じゃすごいですね。
Y;すごいと思うの。だけどその未発表曲でね、ただ何でもないのをちょこちょこって入れても、まあいいんだけれども、これはやっぱり“DOUBLE FANTASY”っていうのはいちばん最後のレコードだったし、そういう意味でまたなにか、バチッとしたものを入れなくちゃいけないと思ってね、いろいろ考えて出したわけなんです。だからまあ、聴いてください。
H;で、ヨーコさん、ちょっと『ジョンの魂』に戻りますけど。
Y;はいはい、いいですよ。
H;あのアルバムは僕は非常に好きなアルバムで。
Y;そりゃあもうみんなも、ジョンと言えば『ジョンの魂』というのがいちばんいいって言うくらいでしょ。
H;ぜひ若い人にも聴いてほしいと。
Y;私もそう思ってます。
H;『ジョンの魂』のなかでさっき ‘Love’の話をしていただきましたけど、もう1曲これはぜひ聴いてほしいという曲はなにかありますか。
Y;‘Working Class Hero’。‘Working Class Hero’はすごいでしょう?あれは。‘God’もね。
H;ジョンのボーカルって、ほんとうにジョンじゃなくちゃ歌えないっていう…
Y;そうなのよ。それでね、ジョンは一千年のあいだのいちばんうまいシンガー・ソングライターだなんてことをvote(投票)されたでしょう、昨年イギリスで。ていうくらいですから、まあ、すごい作曲家なんですけれど、あんまり歌がうまいから、自分で歌うのが。だからその何かこうジョンじゃなくちゃ歌えないようなね、歌うのにすごく難しいような歌をね、ずいぶん書いてるんですよね。だからね「僕のはあんまりみんなカバーしてくれない」なんて生きてるときにはすごく文句言ってたんですよ。だから私も「だってあなた、そりゃねぇ、あなたみたいに歌える人があんまりいないからみんな敬遠しちゃうんじゃないの」って言ってたの。そしたらやっぱり彼が逝ってしまったあとはけっきょく、いろんな人がカバーしてましたね。だからジョンにそれをね、知らせてあげたいな、なんて思ったくらいです。
(この後その他の話題についてインタビユーは続きます。スペースの関係上抜粋しています。全文をお読みになりたい方はザ・ビートルズ・クラブ03-5453-2700に、あるいは、B'netのquestion@thebeatles.co.jpまで、ID番号、お名前と「ヨーコさん・インタビュー」とお書きそえのうえ、お問い合わせください。)

※ヨーコさん、インタビューをして下さいました浜田哲生氏に、この場をかりてお礼申し上げます。

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