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ポール念願の‘Back in the U.S.S.R.’


ポール・マッカートニーは、初めてモスクワの赤の広場でコンサートを行ない、約1万8000人の観衆を熱狂させた。
ポールにとってロシア公演は、40年以上に及ぶ音楽生活でも初めてのこと。ビートルズのメンバーでは、リンゴ・スターが1998年にモスクワ公演を行なっているが、赤の広場での演奏を許可されたのはポールが初めて。
ポールは80年代にも同広場でのコンサートを計画したが、ビートルズの音楽を「外国のイデオロギーのプロパガンダ」と見なしていた当時のソ連当局に許可されず、幻に終わった。
ポールは、コンサート前のサウンドチェックから「リバプールからここまでは長い道のりだったよ」と感慨深げの様子だった。コンサートでは‘Back in the U.S.S.R.’、‘Yesterday’、‘Let It Be’など約40曲を熱唱した。赤の広場は超満員となり、1000人を超える警官や兵士が周辺の警備にあたる中、音だけでも楽しもうと数千人が広場の外にまで詰め掛けた。
また、コンサートに先立ち、ポールはクレムリンでロシアのプーチン大統領と会談。旧ソ連情報機関KGBの出身ながら、若いころビートルズのファンだったという大統領は「ビートルズはとても人気があった」と振り返り、ビートルズは旧ソ連でも単なる人気バンド以上の存在で「外の世界に通じる窓のようだった」と絶賛した。ポールは大統領のために即興で‘Let It Be’を披露し、大統領は自らポール夫妻にクレムリン内を案内するなど、終始和やかなムードだった。
マッカートニーは会談後、自分たちは変化を起こそうとしてビートルズを始めたわけではないが、実際に多くの変化をもたらしたとコメント。
旧ソ連では、ビートルズ作品は禁止こそされていなかったが入手が難しく、多くのファンはボイス・オブ・アメリカ(VOA)や英BBCなどのラジオ放送を通じてその音楽に触れていた。


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