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ジョージのリマスター盤発売


ジョージ・ハリスンの公式サイトで、“LIVING IN THE MATERIAL WORLD”がCDとデラックス・リミテッド・エディションCD/DVDパッケージとして Capitol/EMIから再発されると発表された。以下そのリリースの内容。

CDはボーナストラック2曲を加えたリマスター盤で、デラックス・エディションには未発表レア映像と音源をフィーチャーしたDVDが付属する。9月26日発売予定。
どちらのバージョンもアビイ・ロード・スタジオでオリジナル・アナログテープからリマスターされた音源が使用される。ボーナストラックとして‘Deep Blue’(1971年リリースの‘Bangla Desh’のB面)と‘Miss O'Dell’(‘Give Me Love (Give Me Peace On Earth)’のB面)も含まれる。シングル・ディスク・パッケージのジュエルケースには12ページの歌詞と写真が載ったブックレットも付属。デラックス・リミテッド・エディションはCDに加えて40ページのブックレットとDVDが付く。DVDの内容は、1991年、エリック・クラプトンとの日本公演で‘Give Me Love (Give Me Peace On Earth)’を演奏するジョージの貴重な映像、1973年、イギリスとアメリカでのアルバム製作風景をジョージが指揮した映像、 ‘Miss O'Dell’と‘Sue Me, Sue You Blues’の未発表映像となっている。歴史的注釈はケビン・ハウレットが担当。
“LIVING IN THE MATERIAL WORLD”は、1970年にビートルズが解散後発表されたジョージの2枚目のソロ・アルバム。歌詞では彼のスピリチュアルなテーマの追求を続けている。彼のメッセージを多くの人が受け取るだろう。1973年にアルバムがリリースされた5週間後、LPとシングル‘Give Me Love (Give Me Peace On Earth)’は同時に全米アルバムチャートとシングルチャートの1位に輝いた。
このアルバムの成功は、“ALL THINGS MUST PASS”の発売以来始まった成功の延長線上にある。世界的ナンバー1となった3枚組アルバムは、1971年初めに全米アルバムチャート1位に輝いた。同年、ジョージはニューヨークのマジソン・スクエアでバングラデシュのための2回のすばらしいチャリティ・コンサートを企画した。“CONCERT FOR BANGLADESH”のライブ・アルバムはそれまで最高の売上を記録した。世界的ベストセラーとなったもう1つの3枚組ボックスセット(“ALL THINGS MUST PASS”)は、グラミー賞の「アルバム・オブ・ザ・イヤー」を受賞した。
“LIVING IN THE MATERIAL WORLD”のために、ジョージはロンドンのアップル・スタジオに核となるメンバーを集めた。キーボードにニッキー・ホプキンスとゲイリー・ライト、ベースにクラウス・フォアマン、ドラムにジム・ケルトナーという顔ぶれだ。彼らはいろいろな加工をした多重録音をほどこしたバッキング・トラックを録音した。このアルバム中最も複雑なアレンジがされているのは、タイトル曲である。“CONCERT FOR BANGLADESH”で一緒に演奏したリンゴ・スターとジム・ケルトナーが‘Living In The Material World’で「ダブルドラム」を演奏し、管楽器パートはジム・ホーンが担当し、クラウス・フォアマンがテナー・サックスで協力した。曲の静かなパートはタブラ奏者のザキール・フセインと、フルートとリコーダーをジム・ホーンが担当した。
“ALL THINGS MUST PASS”全編にわたって聞かれるスライド・ギターはジョージ・の「ソロ」サウンドと切っても切れないものとなり、それは“LIVING IN THE MATERIAL WORLDモで顕著になった。‘Give Me Love’でのスライドギターのみごとな二重奏は、ブルース色を強調したジョージのギターが聞かれる‘Sue Me, Sue You Blues’のやさしいパワーとうまく組み合っている。この曲ではハワイアン・スタイルというよりもボトルネックが多用されている。
4曲のバラード‘Be Here Now’‘The Day The World Gets Round’‘The Light That Has Lighted The World’‘Who Can See It' では、「where there's so little chance to experience soul(魂を感じられることはめったにない)」と混沌とした物質世界でどのようにスピリチュアルな生き方ができるかが表現されている。明るい曲調の‘Don't Let Me Wait Too Long’は、‘My Sweet Lord’のテーマ「本当にあなたに会いたい(really want to see you)」を反映している。これらの曲のスピリチュアルな性質は、ヒンズー教叙事詩バガバットギーターからのイラストを折り込みアルバム・ジャケットに採用したアートワークにも反映している。“LIVING IN THE MATERIAL WORLD”の根底に流れるのは、ジョージの揺らぎない誠実さと高潔さである。これはメジャーなポピュラー音楽では稀なことなので、常に、大切に扱われるべきだ。歓迎されるべきタイムリーな再発売だ。


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