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ポール、パリ/オランピア公演レポート【速報!】


10月22日午後10時20分(パリ現地時間)、まさに先ほど、ポールのパリ/オランピア公演が終わったばかり。1時間40分にわたり、全23曲をポールはバンドとともに熱演した。
特筆すべきはオープニングで、ポールだけがステージの赤い幕の前に登場、‘Blackbird’の弾き語りでスタートした。ポールは曲が終わるとビートルズ時代さながら、深々とお辞儀。その後‘Dance Tonight’の途中、バンドが加わってくるところで幕が開くという粋な演出だった。
ポールはビートルズ時代、1964年に同会場に出演してから実に43年ぶりとなるオランピア出演で、なつかしそうなポールに観客も惜しみないスタンディング・オベーションを捧げた。
バンドのメンバーは以前と変わらず、ラスティ、エイブ、ブライアン、そしてウィックスがポールを支える。バンドはコーラスの実力もまたアップし、さらにワイルドでアドリブもここぞというときに飛び出し絶好調。ポールが最高に音楽を楽しみ、ロックしているコンサートだった。
ポールはオシャレなパリということでか、スーツにネクタイ姿。4曲めの‘Flaming Pie’で、「メルシー・ボク」と上着を投げ捨てて熱演を続けた。
最新アルバム『追憶の彼方に〜メモリー・オールモスト・フル』CD/DVDデラックス・エディションの発売を控えた記念イベントの意味も含まれているようで、ニュー・アルバムからも4曲が披露された。ジョンに捧げた‘Here Today’も最高のパフォーマンス。ポールが海外旅行という意味で初めてバカンスを楽しんだのは1961年、ジョンと訪れたパリだった。当時を思い出し、危うい状態のポールを会場の割れんばかりの拍手が支えるという感動の瞬間だった。
テンポのいい曲では立ち上がって踊り、バラードでは座るという礼儀正しい観客が多かったのがパリ/オランピア公演の印象だが、盛り上がったときはスタンディングのアリーナも2階席も床が抜けるほどの盛り上がりようで、アンコール・ラストの‘I Saw Her Standing There’が終わっても「オーオオオーオ!」というコールは鳴り止まず、「もう帰ってくれ」と言わんばかりに想定外のアンコール曲‘Get Back’が演奏された。
小さな会場で音響もおぼつかなく、本番前にはこれまでにはないほど念入りにリハーサルが行なわれ、記者会見の開始時間が押していた。さらに‘Live And Let Die’のマグネシウムのタイミングが合わずこれも何度もリハーサルされていた。一歩間違えばモニターや演奏に支障が出るような状態でハウリングも起こっていたが、逆境が吉と出て、バンドは何の装飾もないまさにネイキッドな状態ですばらしい演奏を披露。ポールの声はさらに深みを増し、ポール健在を見せつけた実力のコンサートとなった。


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