新着ニュース


ヨーコ、『touch me』展オープニングによせて


2008年4月18日
ニューヨーク・シティ

私はルロング・ギャラリーからショーを依頼されました。私は提案者であるメアリー・サバティーノに好感を持ったので引き受けました。そのスペースを見に行ったとき、私の精神は触発され、新旧の作品が並べられるのをすぐさまイメージしました。準備はとてもスムーズに進みました。しかし、オープニングが近づいてくると、ニューヨークでの個展が約4年ぶりであることを突然思い出しました。しかもここはニューヨークです。私は緊張しました。それに誰も来ないかもしれないと思ったりもしました。

これは私の欠点なんですが、私はショーをやるとき、行っていいかと聞いてくる友人達に「いいのよ、あなたは来る必要ないのよ」と気をつかってしまって言ってしまいます。私はいつもそうします、コンサートのときさえも。「いいのよ、来ないで。本当に無理しないでね」と。私がそれほどまでに強く阻止するので、彼らは行くことが失礼だと思ってくまっているかもしれません…なぜこんなことを言ってしまうのか、自分でもわかりません。私はショーの前、すごく緊張します。しかしそのショーの出来が良いと、友人がきていないことをとても残念に思うのです。

オープニングはとても素敵でした。うららかな春の夕べだったことも一役買いました。人々はみんなリラックスして楽しそう。彼らはとくに参加型作品を楽しんでいたようです。"touch me I"は、人々がキャンバスの裏に行って体の部位を穴から出すことができる作品です。キャンバスの表側の人が、穴から出て来た物の写真を撮り、その写真を"touch me II"に画鋲で掲示しました。こうして"touch me II"はすぐに体の部位のポラロイド写真でいっぱいになりました。

私たちはみんなその写真を見ていました。ペニスがあると誰かが言いました。みんなそれを探しました…ペニス自体に興味があったのではなく、ただ楽しかったのです…探すって…何を?(笑) 私はそれを見つけられませんでした。ただの噂だったのかもしれません。でも美しい胸の写真が1枚ありました。私をはじめ、ほとんどの人は、ただ穴の中から手を差し出しました。足も何本かありました。

来てくださった人達、そして応援してくださった人たちのおかげで、私はリラックスし、よい時を過ごすことができました。私はあなたたちに守られていると感じました。ありがとう。

愛をこめて
ヨーコ


[新着ニュース一覧にもどる]