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ポール、ガーシュイン賞でのスピーチ


6月1日17時(現地時間)、ワシントンD.C.にあるアメリカ議会図書館において、ポールはガーシュウィン賞受賞記念スピーチを行った。
会見前にポールは、明日の記念コンサートに備えたリハーサルも行っており、‘Yesterday’を演奏したことが確認されている。
以下にポールのコメントを掲載する。
6月2日にポールはオバマ大統領から直々に賞を受け取る。

(ガーシュウィン賞を受賞して)
この場にいることができてとてもうれしいです。なぜならわたしはガーシュウィン兄弟の音楽を聴いて育ち、ガーシュウィン兄弟の音楽が大好きでしたから。もちろん、いつの日かこの場所でこのような名誉な賞を受け取るなどとは夢にも思いませんでした。リバプールでの子ども時代に、将来こうなると言われたとしても信じなかったでしょう。だからこれはわたしにとって、とても特別なことです。そしてビベリントン博士とすべての関係者に感謝します。今日、図書館などを案内してくれました。わたしはとにかく、ここにいることができて光栄です。

(作曲について)
作曲はずっと、わたしにとって素晴らしいことです。なぜならそれはミステリーだからです。ブラックホールから出発して、運がよければ2、3時間後にはそこに曲があります。そのミステリー、そのマジックは、わたしにとって今でも同じです。大きな違いと言えば、20歳のころには、(例えば)コンピュータに蓄積されてきたような(それまでの)経験を一気に(曲に)書きあげます。でも、それをずっと続けることができるとはわたしは思いません。ほら、それは、そのときに起きるほとばしりなんです。それが大きな違いだと思います。多くのアーティストが、その人にとっての最高の仕事をする時期があり、そしてそれは彼らの初期の時代である場合が多いです。それは、作曲することにエキサイトしているからでしょう。だからそれが大きな違いだと思いますが、今でも以前と変わらず曲を書くことが大好きです。

(演奏するのが好きな曲について)
おもしろいことに、僕はとても多くの曲を書いてきています。ジョンと300近くの曲を書きました。そしてそれ以後、ソロでも数多くの曲を書きました。じつを言うと、わたしは自分の曲についてよく知らないのです。例えばパーティーに行くと、わたしは‘Baby Face’とか、何かふざけたもの、古いものをやる傾向があります。ただしツアーに行くときは、自分の曲を知っています。なぜならツアーのために覚えるからです。(自分の曲が)覚えられない理由は、曲が多すぎるからだと思います。だからすべての自分の曲を知りません。だからわたしはパーティーに行ってピアノがあれば、‘The Long And Winding Road’とか…この曲は覚えているから…あと‘Lady Madonna’とか‘Blackbird’とかすぐに出てくるものを演奏します。誰かに、「あの曲やってよ」と言われても、「どういう(コード)進行だったか覚えてないんです」と言います。

(ホワイトハウスで賞を授与されることについて)
とても特別なことです。わたしは今までにも素晴らしい賞を受賞してきており、その点でとてもラッキーです。それらは今までにわたしに起きた特別なことです。リバプールで育ったイギリス人にとって、ホワイトハウスはかなり特別です。アメリカ人にとっても特別ですよね。「大統領のために歌うんだ」と言うと、「本当に?!」ととても喜んでくれます。ホワイトハウスは頂点です。わたしにとってガーシュウィン賞をいただくこと、そしてその意味、ガーシュウィンの音楽が多くを成し遂げたこと――例えば、『ポーギーとベス』は、まさに公民権運動でした――を知っていることによりさらに特別なことになります。ホワイトハウスで、しかも、大統領も一緒に。じつのところ、わたしは彼の大ファンです。彼は偉大な人です。だから、彼を悩ますのをやめましょう。彼は素晴らしい仕事をしています。

(オリジナル曲を書くことについて)
わたしたちのチーム(レノン=マッカートニー)が登場する前の状況はというと、エルビスには、リーバー&ストーラーなどといったように、アーティストにはソングライターがいました。だからわたしたちはある意味、ボートを転覆させた感じです。わたしたちは自分で曲を書いたので、そういったソングライターの仕事を奪いました。わたしたちにとってはいいことでした――彼らにはいいことではなかったけれど。そのとき、ソングライターの役割が変わったのだと思います。それ以来、それは定着してきていると思います。なぜなら今レコードを作る人の多くは、自分で曲を書いているからです。

(ほかの人たちとホワイトハウスでパフォーマンスすることについて)
正直に言うと、みなさんは、わたしたちのいつもの聴衆ではありません。だから、ほら、緊張するんですよ。度胸を持つ必要があります。これをしかるべき理由のためにやっていることを自覚して、とにかくベストを尽くします。わたしはとにかく、楽しくやるつもりです。なぜならこれはわたしが本当に楽しみにしていたことで、それに彼らもとても楽しみにしていたことだとわかっているからです。彼らがこれをやることに同意してくれて、とてもよかったです。かなり緊張することです。わたしたちは昨日リハーサルをして、「大統領は、(指差して)そこに来る予定です」と言われ、それはほんの1mくらいの距離でした。「オーケー、わたしはファンです。でも…」って…でも、わかりません、そのときになったらどうなるかわからない、とにかく楽しみます。


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