新着ニュース


ポール、ニュー・アルバムを語る


1月19日、ポールはニュー・アルバム“KISSES ON THE BOTTOM”について話すため世界のメディアと会い、そのもようがウェブ中継された。そのハイライトの翻訳を以下に掲載する。

○アルバムのインスピレーションについて
リバプールの家族の伝統は歌を歌うことだった。僕はずっとそういう曲が大好きだった。僕の父はピアノ弾きだった。
僕はビートルズでそういうものをレコーディングしたかったけど、“SGT.PEPPER'S〜”やホワイト・アルバムをやってたから、手が回らなかった。ビートルズ解散後は、僕がこのアルバムをやろうとするといつも誰かに先を越されてしまった。僕は「今はできないな、便乗しているみたいに見えてしまうから」と言い続けてきた。でもその後、プロデューサーのトニーが「気にするな」と言ったこともあり、マーケットのことは気にせず、とにかくやってしまおうと思ったんだ。

○アルバム収録のポールのお気に入りの曲
おそらく ‘My Valentine’ だね。なぜなら僕の最新の曲だから。それにその曲ではエリック(・クラプトン)ととても楽しんだ。彼はソロを弾いた。ここでも、エリックはソロを即興でやった。[メロディを口笛で吹く]と弾いて、僕はそれを気に入った。古い曲のなかでは ’Bye Bye Blackbird’が好きだ。なぜなら普通は[’Bye Bye Blackbird’を歌う]こういうテンポでやるけれど、トミーのアイディアはテンポをスローにすることで、最初僕は半信半疑だったが、うまくいったと思う。それはビートルズでやった方法と似ていた。持って来て、いろいろやってみて、録音する。実のところ僕は素晴らしいジャズ・ミュージシャンと一緒にやっていた。彼らに「ベースから行こう」と言うと、「ドゥン、ドゥン,ドゥン」と、信じられないほど素晴らしいプレイヤーで、何を弾くべきか正確にわかっているんだ。

○スティービー・ワンダーとのレコーディングについて
‘Only Our Hearts’という曲があった。僕は30年代、40年代のスタイルを意識して、この曲を書いた。プロデューサーのトニーが「スティービーはどうだい」と言い、僕は「ワオ」と言った。スティービーとは、何年も前に一緒にレコーディングして以来だった。たまに会ってはいたが、一緒にレコーディングするのは久し振りだった。彼は本当に天才だ。それはこのアルバムで素晴らしいことの一つだ。誰もが素晴らしいミュージシャンだ。

○フレッド・アステアについて
フレッド・アステアはあの時代のすばらしいキャラクターだったと思う。僕は60年代、“SGT.PEPPER'S〜”を作っていた時、フレッド・アステアのように僕のジャケットを作ってくれないかと頼んだ。彼はとても光沢のある袖の服を着ていて、僕もそれが欲しかったんだ。音楽的に、彼のボーカルスタイルはとても興味深い。彼は僕が近づきたい声を持っていた。僕はそれに挑戦し、このアルバムの大きな特徴の一つとなった。スタイリッシュなものの一部は、その時代の人々から来たんだ。新しい映画『アーティスト』 を観た? 素晴らしい映画だよ。それは僕が大好きな時代だ。スタイル、音楽の時代だ。

○ロックの重鎮の一人であることについて
若い奴にしてみれば、年をとっているよね。僕らも昔、30歳はとても年取っていると思っていた。今は、とても若いと思うよ。でも、僕が30歳以上であっても。僕はコンサートの最後にいつも「また次回お会いしましょう」と言うんだ。そして僕は本当にそう思っている。僕はやらせてもらえる限りは、やり続けるよ。


[新着ニュース一覧にもどる]