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リンゴ、記者会見レポ


6月13日、ナイアガラ・フォールズで行われる第13期*リンゴ・スター&ヒズ・オール・スター・バンドのツアー初日を翌日に控え、リンゴとメンバーたちは記者会見とダイジェスト・ライブによるプレス・カンファレンスを開いた。以下、そのもようをお伝えする。

*注)単純にツアー毎に計算すると12期だと思われるが、11期ツアーの途中、マーク・リベラが参加した時点で12期と数え、今回13期となるのだと思われる。

デイブ・ハート:フォールズビュー・カジノへようこそ。私はデイブ・ハート、リンゴ・スター&ヒズ・オール・スター・バンドのプロデューサーです。今回は13回目のオール・スター・バンドで、私たちはとてもエキサイトしています。ここフォールズビュー・カジノに再び来ることができてとてもうれしいです。カナダでここ以上にコンサートをするのによい場所はありません。今日の進行を少しお話しします。私がバンドメンバーを紹介し、彼らが音楽を演奏し、それから写真タイム、Q&Aを行ないます。リンゴが制作したすばらしいアートワークがステージの両脇にあるのでご覧下さい。彼はそれをロータス・ファンデーションのために作りました。すばらしい財団、すばらしいアートワークです。第13期オールスター・バンドを紹介します。まずスティーブ・ルカサー、TOTOの名ギタリスト。そして、Mr.ミスターのすばらしいシンガー、リチャード・ペイジ。サンタナ、ジャーニーのキーボード奏者、グレッグ・ローリー。唯一無二のトッド・ラングレン。ビリー・ジョエルのサックス奏者のマーク・リベラ。バンドを一つにまとめるグレッグ・ビソネット。そして私たちみんながここにいる理由の人を紹介しましょう、リンゴ・スター!

(リンゴ、ピースサインをしながら登場、ドラムの位置につく)

リンゴ:これから何曲か演奏してから話します。来てくれてありがとう!僕はこんな朝早くプレイするためにミュージシャンになったんじゃない。ハハハ。始めよう。まず‘Boys’から。

演奏曲
Boys(リンゴ)
I Saw The Light(トッド・ラングレン)
Evil Ways(グレッグ・ローリー)
Rosanna(スティブ・ルカサー/マーク・リベラ)
Broken Wings
With A Little Help From My Friends(リンゴ)

(演奏と写真タイム終わり、Q&A)

Q:ニューアルバム“RINGO 2012”が出ました。レコーディング・プロセスはどんな感じでしたか?毎回違うレコーディング・プロセスですか?それともいつも同じやり方にしたがっていますか?

リンゴ:ええと、いつもは曲を書いて、そこにトラックを加える。最新2枚のアルバムでは、僕が楽しめるリズム・パターンをシンセサイザーで見つけ、それに合せてドラムを叩き、パーカッションをそこに加えていった、タンバリン、マラッカ……僕のロスアンゼルスの自宅には僕が使う大きなゴングがある。僕がゴングに到達したら、ミュージシャンを集めなければならない。なぜならそれが僕の限界だから。それから僕、どういうふうに感じるか、これがバース、これがサビ、というのを加え、人々を集めてそれらのトラックについて曲を一緒に書いてもらう。だから最新の2枚のCDはいつもの方法と逆にやったんだ。この“RINGO 2012”はおもしろかった。なぜなら僕が70年代に書いた曲が2曲入っている。とにかくおもしろい。僕はミュージシャン達と一緒に過ごすことが大好きなんだ。演奏してとても楽しく過ごした。プレッシャーなんてないよ。僕は自宅でやっているから、つらくなってきたら、お茶を一杯飲むさ。

Q:音楽的に、あなたにとって、バケツリスト(死ぬまでにやりたいことのリスト)に入っていることはありますか?やりたいのに、まだやり遂げていないことはありますか?

リンゴ:今もやってる。2年前は別のバンドとここにいて、今、このバンドとここにいて、今もいいプレイヤーと一緒にプレイしたり、スタジオで一緒に過ごしたりできている。……それは今も広がり続けている夢だ。僕は子供のとき、ドラムを叩きたかった。いい人達とプレイしたかった、これらの人々と一緒にプレイし、新曲を作る。それは僕が愛することで、僕は今もそれを続けている。僕はとても恵まれている。

Q:では今も夢の中に生きているのですね。

リンゴ:今も夢の中に生きているよ、ベイビー。ピース&ラブ。

Q:父の日が近づいているので質問です。ビートルズの息子たちがバンドを組む可能性が報道されています。それについてお話いただけますか? あなたの息子ザックは今や一流のドラマーです。キース・ムーンと一緒にプレイして育ったり……。

リンゴ:僕は息子について話せるよ。だって僕は彼のことをけっこうよく知っているから。ははは。彼はすばらしいミュージシャンで、ドラマーとしてだけでなく、とてもクールなギタリストでもある。彼はとにかくプレイすることを愛しているんだ。だから彼はそれをやっている。僕もそのバンドについて読んだが、僕の知る限り、僕の息子は2人ともそこに入らない予定だ。他の人たちについては、本人に聞いてね。

(中略)

Q:最近レボン・ヘルム、そして第1期のオールスター・バンドにいたクラレンス・クレメンスが亡くなりました。彼らと組んだときの話をしてもらえますか?

リンゴ:すばらしかったよ。クラレンスはすばらしかった。なぜなら、ほら、オール・スターズは初めてで緊張していたので僕は頼りになる大男が欲しかった。彼より大きい人は誰もいなかった。すばらしいミュージシャンで、一緒に演奏して楽しかった。レボンももちろん、僕は彼を大好きで、彼のプレイが大好きで、人として大好きで、僕たちは長年親しかった。彼は“RINGO”にも参加した。だから……そう、これはいつかは起きることだよね。彼らに神の御加護がありますように。

(中略)

Q:すばらしいラインナップです。ローリング・ストーンズ、ビーチ・ボーイズの50周年が話題になっていますが、ビートルズについてはどうでしょう? 50年前の1962年、あなたたちは最初のヒット‘LoveMe Do’を録音しました。

リンゴ:みんな1962年と言うけど、実のところ僕は8月までそのバンドに加入していなかったから、もうちょっと待たなきゃだめだよ。

Q:そうですね。でもここにアイデアがあります。ロータス・ファンデーションのために、あなたとポールが再び組んで、‘Peace And Love Me Do’をやるというのはどうでしょう?

リンゴ:すばらしいと思う。君の電話番号もらえるかな。あとで電話するよ。

Q:ポールのビッグな誕生日が近づいています。彼はあなたの誕生日で演奏しました。あなたは彼の誕生日で演奏して恩返しをしますか?

リンゴ:彼が自分の誕生日で何をするつもりなのか僕は知っている。そして僕も何をするか決まってるよ。僕たちは一緒にやらない。でも、彼にたくさんの愛を送るよ。今年彼とは何回か会ったから。その日はお互い別の場所にいるんだ。

Q:オール・スター・バンドのオーディション・プロセスはどんな感じですか?

リンゴ:彼ら全員が、僕をオーディションするんだ、実のところ。

マーク・リベラ:彼、リチャード(・ペイジ)が決める……なんてね。リンゴが決めるんだ……バンドに入れたい人、ヒット曲を決めて、そこに挙げられた人はみんな素晴らしい曲を持っている。とくにオーディションというものはないんじゃないかな。そうじゃない?

リンゴ:オーディションはない。 基準はヒット曲を持っていること……過去1世紀間で。(会場笑い)それで、キーボードが必要だ、ギターが必要だ、ベーシストが必要だ、クレイジーにプレイする奴が必要だ……って、そうやってまとめる。マネージメントがミュージシャンの名前を送ってきて、僕が誰かいいと思うミュージシャンを思いつき、誰かミュージシャンが言及して、そして最後には僕はただ座って、「これはすばらしいリンゴ&ザ・オールスターの組み合わせになるぞ」と言い、みんなに連絡がいき、僕たちはここで集合し、ここに来る前の日まで、うまくいくかわからない。でも今まで23年間、うまくいっている。だから、それが僕たちのやり方だ。僕はここですばらしいミュージシャンに囲まれている。みんなすばらしいソングライター、すばらしい曲だ。そしてリンゴ&ヒズ・オールスターズを見に来る人はみんな、僕たちが最高のバンドだと知っている。だって僕たちはバンドなんだから。僕のバンドでも、彼のバンドでもない、みんなが前に出ている。僕たちは南米でやったときに言われた。「おお、すばらしい! サイドマンがいない!」と。なぜならみんなが前に出ている。

Q:このバンドでレコードやCDを出す予定は?

リンゴ:いつもDVDを作っているよ。どのオールスターもDVDをやる。

トッド:誰にも質問されない場合のために、口を挟ませて。このバンドをやるのは3回目ですが、バンドだと感じたのは、実のところ今回が初めてです。音楽的な見地でなく、ピース&ラブ的な面で。一緒にプレイする日を重ねるごとに、僕たちはどんどん互いのことを好きになっていく。僕たちは一緒にディナーに行き、一緒に映画を見に行き、それは僕たちがもっといいプレイをする刺激になる。音楽的キャパシティを持っていても、ときには、シンクロしないことがあるものだが、僕たちは完全に今同じページにいて、ここにいる人のリーダー・シップがある。(リンゴを指さす)すべて彼のおかげだ。

(会場から拍手、リンゴ照れ笑い)

リンゴ:僕は最後に口を挟むが、最後までには僕たちはすべての曲を覚えているだろう。

(会場笑い)

(中略)

Q:各メンバーが個々のセッションやプロデュースのすばらしい活躍をしていますが、オール・スター・バンドに戻ってき続ける理由は?

スティーブ・ルカサー:実のところ、僕はこのバンドに入れてもらうよう懇願したんだ。僕はデイブ・ハートに頼んだ。僕はリチャードとグレッグの友達だし、トッドの大ファンで、僕はここにいることができて名誉なことだ。ありがたいことにリンゴは僕を雇ってくれた。

グレッグ・ローリー:僕は16歳くらいのとき“A HARD DAY'S NIGHT”を観た。ビートルズがいなければ僕は建築家になっていたかもしれない。僕はミュージシャンになれてよかった。僕はトッドが言ったことに賛成する。このバンドは同じページにいる感じがする。つまり、人間的レベルでね。それはとてもクールなことだ。ここにいられてとてもクールだ。誰が断るかい?

メンバー一同:そうだよな。

スティーブ・ルカサー:僕は実のところ自分のバンドを吹き飛ばしてこのツアーをやったから彼らは僕に怒ってるよ。

マーク・リベラ:ビートルズが初めてエド・サリバン・ショーに出た時を見た人はここにいるかい? それは僕の人生を変えた。僕はこの夢をつかんだ。リンゴがそこに座って彼の夢の中に生きているとき、僕はいつも僕の夢を生きている。

リチャード・ペイジ:ここのことはすべて、リンゴから始まった。このキャリアに進んだのは、何らかの形で彼の影響がある、大きな形で。だから僕たちみんな、なんらかの形で、出発点となった彼に感謝している。ビートルズレコード……あんなふうになりたいと思った。

グレッグ・ビソネット:彼は僕の大好きなドラマーで、すばらしい友人で、毎晩彼と一緒にプレイできて、最高にうれしいです。再びリンゴ&オールスターズでプレイできてとても光栄です。

トッド:ときに人々は、ビートルズ前に音楽がどうだったかを忘れる。ハンサムな男の後ろにバック・ミュージシャンというのがお決まりだった。ビートルズが出てきて、近所で2、3人友達を見つけてバンドを組み、楽しんで、その一部は成功し、結果的に本当のミュージシャンになる。その前は、いい髪型をしなければならず、ちょっとした声(?)を持っていなければならかった、音楽業界で成功するためにはね。覚えているのは、初めてビートルズのアルバムで彼らはすべての曲を一緒に書き、すべての楽器を演奏し、自給自足のユニットで、それまでに存在しなかった世界を切り開いた。

(中略)

Q:そしてあなたのアートの巡回展が始まったのもとても楽しみですね。

リンゴ:そうだね。すべてコンピューターで作ったんだ。iPodアート、iPhoneアートで作ったものだ。そしてそれはロータス・ファンデーションの大義にとってよかった。それは僕とバーバラが始めた財団だ。 僕たちはとにかく、自分たちの最善を尽くしてやっている。巡回展で販売し、大義のために使う。それに、それをやるのはとても楽しい。

Q:あなたはニューアルバムに奥様にヒントを得た曲‘Wonderful’が入っています。耐久力のあるメッセージです。なぜ彼女はすばらしいか、なぜ彼女の愛をこんなに長く保ちてるのか少しお話いただけますか?

リンゴ:だってほら、僕たちはまだ一緒にいる。なぜなら彼女は僕の元を去ろうとしないから(笑)。ほら、僕自身さえ、僕の元を去りたいときもあったが、彼女は僕についてきた。ほら、僕は彼女と恋に落ちた。僕が言えるのはそれだけだ。彼女を愛していて、幸運なことに、彼女も僕を愛していて、僕たちには悪い日もあったが、悪い日は通過しなければならない。それを大きな山にするのではなく、通り過ぎることのできる丘にとどめなければならない。バーバラが僕の人生にいて、僕は恵まれている。僕は今も、(彼女と出会ったばかりの)1980年の気分さ。


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