新着ニュース


『ザ・ビートルズ MONO LP BOX』をエンジニアが語る

mono_animation_masterv6.gif

9月10日、ビートルズのオリジナル・モノ・アルバム11作品が発売されることを先日お伝えした。
今回、『ザ・ビートルズ MONO LP BOX』製作にあたったのは、2009年のCD“THE BEATLES MONO BOX SET”のリマスタリングでグラミー賞を受賞したショーン・マギーがエンジニア。同じく、グラミー賞を受賞したスティーブ・バーコウィッツがマスタリングを監修した。
彼らは当時のカッティング・エンジニアたちによる伝達事項の詳細な注記を参考にしながら、1960年代に使われていたのとまったく同じ手順を用いたという。
 作業はアビイ・ロード・スタジオで行われ、マギーとバーコウィッツのふたりはまず、数週間を集中的な試聴に費やし、マスター・テープを1960年代に製造されたモノ・レコードのファースト・プレスと隅々まで比較した。貴重なテープの再生には徹底的にテストされたスチューダーA80 (8チャンネル アナログ・マルチトラック・レコーダー)を用い、新たなアナログ盤は1980年代のVMS80レース (旋盤)でカッティングされた。
 今回のアナログ盤は、強いて例えるならば、ファースト・プレスの音質を新品の状態で手に入れられることになるが、もちろん当時とまったく同じものを作る事は不可能だ。マギーもこう語っている。「モノラル・ボックスのプロジェクトは2009年に開始しました。アナログ・テープから直接カッティングし、当時のカッティングノートを参考にしています。オリジナルを再び作ることを試みているわけではありませんが、オリジナルの意思の提示を試みています。モノラル・ミックスにビートルズは関心を示しましたし、みんなそうでした。みんなモノラルで聴いていましたからね。ですから、テープを流して、盤をできるだけ当時の指示通りに作ろうとしました。機材は当時と違うので、できるだけ近づけるように努力しなければいけませんでした。(当時の製作)ノートを読んで、昔はどのようになされたか、どうしてそのようにカッティングしたのか、どうして周波数を変えたのかを知ろうとしました。そして実験して、ボーカルを近づけたり、ドラムをもっと目立つようにしたり。それによって解決策が生まれ、9割方、可能な限りオリジナルに近づけることができました」
 レコードのプレスやアルバム・ジャケットの印刷等、製造はドイツのオプティマル・メディア社で行われた。


[新着ニュース一覧にもどる]