1965年3月22日発売

◎高音質化でアメリカ盤の逆襲!

アメリカでビートルズが最初に契約し、デビュー・アルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』収録曲をリリースしていた「ヴィー・ジェイ(Vee Jay)」レーベルとの契約が切れ、キャピトルがそれらの曲をリリースすることとなった。ヴィー・ジェイからリリースされていたのは、『イントロデューシング・ザ・ビートルズ』というアルバムだが、キャピトルはこのアルバムと違うものを作ることも念頭に入れ、大幅に曲順入れ替え、曲目カットを行なった。1970年9月25日に日本盤もリリースされ、当時はイギリス・オリジナル・アルバム『プリーズ・プリーズ・ミー』から3曲を省いただけのアルバムという何ともマニアしか手を出さない位置に属しているアルバムであったが、現時点でCDの音質再現技術としてはオリジナル・アルバムを上回ることになり、当時より貴重な意味を持つリリースとなった。

1/12 Love Me Do
1962年9月11日にレコーディングされたリンゴがタンバリンを叩いているバージョン。リンゴがドラムを担当した9月4日バージョンは『パスト・マスターズ VOL.1』で聴くことができる。

2/13 Twist And Shout
「ハリウッド・ボウル」や「シェア・スタジアム」など、数々のアメリカ公演でもコンサートのトップを飾った楽曲。1965年8月15日から始まった2回目となるアメリカ・ツアーでも、オープニングで、この曲のショート・バージョンが演奏されている。

3/14 Anna (Go To Him)
2曲目の‘Twist And Shout’から5曲目の‘Boys’までがカバー曲となり、ビートルズのブラック・ミュージックからの影響が強調されることとなった。

4/15 Chains
レノン=マッカートニーの憧れ、ゴフィン=キングの作曲。オリジナルはクッキーズ。

5/16 Boys
オリジナルは女性ボーカル・グループ、シュレルズ。

6/17 Ask Me Why
イギリスでは2枚目のシングル「プリーズ・プリーズ・ミー」のB面として、1963年1月11日にリリースされていた。

7/18 Please Please Me
アナログ・レコードでは、ここからがB面。イギリスで「メロディ・メイカー(MM)」誌と、「ニュー・ミュージカル・エクスプレス(NME)」誌では1位を獲得した曲。

8/19 P.S. I Love You
イギリスではデビュー・シングル「ラヴ・ミー・ドゥ」のB面として、1962年10月5日にリリースされた。当初はA面候補曲。「ラヴ・ミー・ドゥ」と同じく、ドラマーはアンディ・ホワイト。リンゴはマラカス担当。

9/20 Baby It's You
オリジナルはシュレルズ。

10/21 A Taste Of Honey
1961年のイギリス映画『蜜の味』のタイトル・ソングでもあった。ロックンロール・バンドとしては意外な選曲で、デビュー当時からすでにビートルズはジャンル・レスのバンドだったことを伺わせている。

11/22 Do You Want To Know A Secret
ウォルト・ディズニーの白雪姫の楽曲「ウィッシング・ウェル〜願いの井戸」という曲にインスパイアされてジョンが作曲。