1965年6月14日発売

◎これぞアメリカ盤の醍醐味! 独創的な選曲の1枚

キャピトル6枚目となるアルバム。『ヘルプ(4人はアイドル)』と『ビートルズ・フォー・セール』の中間的イメージもあるアルバムだが、イギリスで『ヘルプ(4人はアイドル)』がリリースされるのは2か月後。ここから早くも3曲と、1966年リリースの『オールディーズ』に収録される「バッド・ボーイ」がどこよりも早く聴けたアルバムであった。この時点での最新シングル「ティケット・トゥ・ライド(涙の乗車券)」(1965年4月9日)のB面だった「イエス・イット・イズ」も収録され、イギリスのどのオリジナル・アルバムとも違う表情を持つアルバムとなっている。

1/12 medley a. Kansas City b. Hey, Hey, Hey, Hey
オリジナル・パフォーマーはウィルバート・ハリスンで、1959年5月18日から2週連続1位を記録している。ビートルズは1964年ファースト・アメリカン・ツアーで9月17日のカンサス・シティ公演のみ、この曲を演奏している。

2/13 Eight Days A Week
フェイド・インを用いた最初のポップ・ソング。ハンドクラップはビートルズの4人全員が担当した。最初のバージョンがレコーディングされた1964年10月6日の時点では、年末のシングル候補曲であったが、イギリスでは「アイ・フィール・ファイン」にその座を奪われることになった。

3/14 You Like Me Too Much
もともとは映画『4人はアイドル(ヘルプ!)』のために書かれた楽曲だが、劇中には使用されなかった。ジョンがエレクトリック・ピアノ、ジョージ・マーティンがピアノを担当。

4/15 Bad Boy
1965年5月10日に行なわれたレコーディング・セッションで、同じくラリー・ウィリアムズのカバー曲「ディジー・ミス・リジー」とともにレコーディングされた。この2曲は初めからアメリカ市場を狙ってレコーディングされている。

5/16 I Don't Want To Spoil The Party
当初はリンゴのためにジョンが書いた、幾分カントリー色の漂う楽曲。

6/17 Words Of Love
1957年6月20日、バディ・ホリーがリリースした曲。

7/18 What You're Doing
アナログ・レコードでは、ここからB面。ポールが「なんとなく作った曲」と述懐する曲。

8/19 Yes It Is
イギリスでは9枚目のシングル「涙の乗車券」のB面として1965年4月9日(アメリカでは4月19日)にリリースされた。全米No.1にも輝いた。

9/20 Dizzy Miss Lizzy
1965年8月15日から始まった2回目となるアメリカ・ツアーでも演奏された。

10/21 Tell Me What You See
もともとは映画『ヘルプ!』のサウンドトラック用に作られた。

11/22 Every Little Thing
ティンパニーはリンゴ。ポールは当初、シングル候補曲としてこの曲を作曲したという。